| ■No339に返信(えぁさんの記事) 【ア】は余事象を使わないで解く問題だと思います。 12人から3人の委員を選ぶ組み合わせの数が事象の総数で,A, B の他に残りのひとりを選ぶ方法は,残った 12-2=10 人から1人選ぶわけなので10通りあります。この10を事象の総数で割ったものが求める確率になります。
【イ】は余事象を使うのでしょうか。 特定の2人を,やはりAさん,Bさんと呼ぶことにします。 AさんかBさんのうち少なくとも一人を選ぶ,ということはどういうことかを説明します。 3人の委員の選び方を全て書き上げた一覧表があるとします。 その一覧表に載っている選び方は,次の4つのタイプに分けることができます。 タイプ1. AさんとBさんを両方含む。 タイプ2. Aさんを含むがBさんを含まない。 タイプ3. Aさんを含まず,Bさんを含む。 タイプ4. AさんもBさんも含まない。 どのように3人を選んだとしても,その選び方は必ずこの4つのタイプのどれかになっています。しかも,タイプ1とタイプ2に同時に含まれるといったような,2つ以上のタイプに含まれる選び方は絶対にありません。 このようなとき,上の4つのタイプの事象は,互いに「排反な事象」と呼ばれます。 そして,委員の選び方の一覧表(つまり,今考えている確率の全事象)は,4つのタイプの事象を全てあわせたものになっています。
さて,問題で問われているのは,タイプ1,タイプ2,タイプ3の全ての事象を合わせてできる事象の確率です。これは,これら3つの事象が排反であることから,タイプ1の事象が起こる確率とタイプ2の事象が起こる確率,そしてタイプ3の事象が起こる確率の3つを足し合わせれば得られます。 ところが,【ア】でタイプ1 の確率は求めたものの,あとタイプ2とタイプ3の確率を求める必要があります。 それ自体はこの問題の場合求めることは難しくないのですが,余事象の確率というのを使うと,さらに計算量が減って楽になります。
全事象の総数が4つのタイプの事象を全て合わせたものになっていると上に書きました。ということは, (タイプ1,タイプ2,タイプ3の事象の数の和)=(全事象の数)−(タイプ4の事象の数) となり,両辺を(全事象の数)で割ると (タイプ1,タイプ2,タイプ3の事象が起こる確率)=1−(タイプ4の事象が起こる確率) となります。 というわけで,タイプ4の事象の総数を求めれば,タイプ4の事象が起こる確率が求まり,それを1から引けば答えになります。
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