| 念のため言っておくが, 「函数等式」という数学用語は複素解析の用語としてきちんと別にあって, 函数同士の等式という意味とは異なる. また, 多項式は `定義域' を決めて `代入' を行うことにより函数を定めるけれども, それ自身は函数ではない. 「函数が等しい」というのは, それらの定義域上で恒等的に値が等しいという意味(その意味では「恒等式」とまったく違うところが無い)であり, 例えば実函数においてであれば多項式函数が等しいことと多項式として等しいということとは同値であるが, 有限体などもっと一般の環上の多項式では, 多項式として異なるにも関わらず同じ函数を定めるものが存在する. いっぽう方言「恒等式」は, 高校まで「実数」という実体をまったく表に出さない無駄な教育努力によって, 実係数多項式として等しいということを言い表すための用語として便宜的に用いられているのに過ぎない. 少なくとも「どの集合上で」ということを抜きにして `恒等的に等しい式' と言っても, その言及は意味を成してはいない. そして, 暗黙にでも実函数に関する話である (もう少し一般の設定でもいいが) という前提になっている文脈では, f = g すなわち `函数 f, g が等しい' ということの ***定義*** が `f(x) = g(x) が恒等式' となるということなので, これらを区別しようということ自体がハジメから間違っている.
> 素元分解一意整域(PID)
素元分解整域あるいは一意分解環 (UFD) ですね (PID は主イデアル整域あるいは単項イデアル整域, まあ PID ならば UFD だが).
# 質問者はあちこちで同じことを訊き, ほとんど同じような答えを受けているのに, 何も聞き入れる気が無いと見える. 質問者は幾度と無く「函数として等しいのか恒等式なのか」と問いかけ, 「`函数として等しい' ということの定義を確認せよ, 質問の無意味さがわかる」と教えられているにもかかわらず, 漠然と違うものだと捉える自身の感覚を大前提に置いているのだから, 何も話が進むはずが無い.
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