| Pという命題を証明するのに、「Pでない」ならば「矛盾」である、を示すのが背理法です。Pは条件文である必要はありません。一方、対偶という時は条件文にしか意味をもちません。√2は無理数である、は背理法で示しましたね。
#くだけていえば背理法とは、「○○に決まってんじゃん」「どうして」「だってそうじゃないと困るじゃん」ということで○○である、と示す方法です。
> 簡単に言うと,命題を証明するときに, > と仮定して矛盾を導くのが背理法
これは明白な誤りです。
Pが条件文 p⇒q であるとき、Pでない、は p∧(¬q) です(¬は否定の記号)から、「(p∧(¬q))⇒O」(Oは矛盾命題)を示すのが背理法です。 つまり、仮定すべきは(p∧(¬q))であって、p⇒(¬q) ではありません。 両者はpが真なら同値ですが、pが偽の時、前者は偽ですが、後者は真であり、同値ではありません。高校レベルでは示すべき条件文の仮定が偽であることはほとんどないので、両者の区別ができていない、というのが現状のようです。
例:x,y は自然数とする。「x^2+y^2=3 ⇒ x か yの少なくとも一方は奇数である」を示せ。 背理法:x^2+y^2=3 かつ x,y はいずれも偶数である、とする。x=2n,y=2m と書けるから、x^2+y^2=4(n^2+m^2) となり、x^2+y^2 は偶数でなければならない。一方で背理法の仮定からx^2+y^2は奇数だから、矛盾である。 対偶証明法: 「x,y はいずれも偶数である」⇒「x^2+y^2≠3」を示す。 x,y はいずれも偶数である、とする。x=2n,y=2m と書けるから、x^2+y^2=4(n^2+m^2) となり、x^2+y^2 は偶数でなければならない。特に決して奇数である3にならない。つまり x^2+y^2≠3 である。
参考:本問でp⇒(¬q) とは、「x^2+y^2=3 ⇒ x, yはともに偶数である」で、正しい命題です。なぜなら x^2+y^2=3となる自然数x,yが存在しないからです。だから、これを仮定して矛盾が出たとしたら、大事件になります。 「x^2+y^2=3 ⇒ x, yはともに偶数である」を対偶証明法で示してみます。 「x か yの少なくとも一方が奇数である ⇒ x^2+y^2≠3」を示します。 「x か yの少なくとも一方は奇数である」と仮定します。 xが奇数とします。x=4n+k (k=1 or -1) と書くことができます。 x^2=16n^2+8nk+k^2=4(4n^2+2nk)+1 (k^2=1) となりますから、x^2 を4で割った余りは1です。yも奇数であればy^2を4で割った余りは同様に1ですし、yが偶数であれば y^2 は4の倍数です。よって、x^2+y^2 を4で割った余りは 2 か 1 になります。これは決して3にはなりません。 yが奇数の時も同様なので結局x^2+y^2≠3が示されました。
|