行列 A=(
a
b
c d
) には次に示すハミルトンの等式が成り立つ。
A 2 −(
a+d
)A+(
ad−bc
)E=O
この等式は,行列の次数を下げるのに用いられる。
A 2 =(
a+d )A−(
ad−bc
)E
のように式を変形すると,次数をひとつ下げることができる。
【証明】
A 2 −(
a+d )A+(
ad−bc
)E
=
(
a
b c
d
)(
a b
c d
)−(
a+d )(
a
b c
d
)+(
ad−bc
)(
1 0
0
1 )
= (
a
2 +bc
ab+bd
ac+cd
bc+
d 2
)−(
a
2 +ad
ab+bd
ac+cd
ad+
d 2
)+(
ad−bc
0
0 ad−bc
)
= (
bc−ad
0
0 bc−ad
)+(
ad−bc
0
0 ad−bc
)
= (
0
0 0
0
)
=
O
となり,証明された。
【関連ページ】
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数学C
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