恒等式とは,等式に含まれているある文字に任意の文字を代入しても,その等式の両辺の値が存在する限りつねになりたつ等式のこと。
整式の等式の性質
性質1:
a x 2 +bx+c=0
が文字
x について恒等式
a=b=c=0
(係数=0)
恒等式であるので
x=−1,0,1
を代入しても等式は成り立ちます。よって,
{ a−b+c=0
c=0
a+b+c=0
の連立方程式が得られます。 これを解くと
a=b=c=0
となります。
性質2:
a x 2 +bx+c=
a ′ x
2 + b ′
x+ c ′
が文字
x について恒等式
a= a ′
,b= b
′ ,c=
c ′ (同じ次数の係数が等しい)
a x 2 +bx+c=
a ′ x
2 + b ′
x+ c ′
を右辺−左辺=0に式を変形します。すると,
( a−
a ′ )
x 2 +(
b− b ′
)x+(
c− c ′
)=0
が得られます。性質1より,
a= a ′
,b= b
′ ,c=
c ′ が導かれます。
2次の整式について示したが,上の性質は
n 次の整式でも成り立ちます。
【ひとこと】
恒等式の問題では,係数を求めなければならない場合がよくある。このような問題を解く手法として,
(1)数値代入法:適当な数値を代入して,係数の連立方程式を作り解く。
(
n 次の恒等式であれば
n-1 個の数値を代入する必要がある。
)
(2)係数比較法:両辺の同じ次数の項の係数を比較する連立方程式を作り解く。
がある。
【関連ページ】
数学A
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