| [1] 今回の課題にある(問4)について,以下に与える具体的なaとbにおいて,具体的な図を 描け.また,最後に得られた長方形に基づく対角行列の行列式を求めよ.2 問に答えよ(正確に, 見やすく描いてあるかで評価する). (1)a=(−2,1), b=(4,1) (2)a=(4,1), b=(2,3) [2] 今回の課題にある(問 5) に答よ. P1(1, −1)P3(2, 1, 1)P3(1, 2, −1)P3(2, 1, 1) =
問題文に出てくる問4と問5は下記です (問4)平行四辺形0, a, b, a+bと,上で与えた作図法に従って,長方形0, a′, b′′, a′+b′′ を図示せよ. (12) 最後に,以上の変形を反映した行列式の計算を確認しておきましょう. 􏰀􏰀 􏰀􏰀 􏰀􏰀 􏰀􏰀 􏰀􏰀 􏰀􏰀 |A|=􏰀􏰀 a1 a2 􏰀􏰀=􏰀􏰀 a1 a2 􏰀􏰀==􏰀􏰀 a1 0 􏰀􏰀=a1b′′ 􏰀bb􏰀􏰀0b′′􏰀 􏰀0b′′􏰀 122 この計算は,P3 による変形のみに基づき,P1 と P2 は用いていないことに,注意する (これは非常に重要).また,b′′ は(問 3)で計算されているはずなので,それを代入 すると 1 つの計算式が得られます(求めてください). • 他の行変形行列 P1 と P2 についても見ておきましょう. 2
(1)P1(1,r), r̸=0は1行目を,r倍します.r>0の場合は,aの長さをr倍するだけなの で,面積も r 倍されるはずです.r < 0 の場合は,a の長さを |r| 倍すると同時に,その ベクトルの向きは逆にします.a とは逆方向のベクトル ra から b を見ると,前とは逆 回りになっているはずです.つまり,符号が逆転します(数値的には −1 倍).そのた め,もとの行列式の (−1) × |r| = r 倍することになります.つまりどちらの場合であっ ても r 倍です. 􏰀􏰀 􏰀􏰀 􏰀􏰀 􏰀􏰀 |P1(1,r)A|=􏰀􏰀 ra 􏰀􏰀=r􏰀􏰀 a 􏰀􏰀 􏰀b􏰀 􏰀b􏰀 であることを理解してください.これは 2 行目のベクトル b についても同様に考えるこ とができるので,i = 1, 2 に対して次のように表現できます. |A| = 1r |P1(i, r)A| = r|P1(i, 1/r)A| 特に,r = −1 の場合は, 上の関係式は,|A| の計算が目的がなので,もしも P1(i, 1/r) で A を変形したら,r を |A| = −|P1(i, −1)A| かけて修正しないと等号にならないという形式で与ています. (2) P2 (1, 2) は 1 行目と 2 行目を入れ替えます.実は,|P2 (1, 2)A| の計算は P3 と P1 を使っ て求められます. ()( ) P3(1, 2, 1) a = a + b ba P3(2, 1, −1) P3(1, 2, 1) ()() a + b = a + b b −a ()() a + b = b −a が成り立ちます.P3 行列による変形は行列式の値を変化させないので,次のような計 算ができます. ここまでは,P3 行列しか用いていません.これは,P3 のみを用いて,実質的に P2 の 役割を実現できることを示しています.これにより a ベクトルの符号は変わりますが, 通常はそのまま気にせずに,計算を続けていけます. P1 についてすでに述べた性質により,その符号(−1)を行列式の外に出せば,目的の P2 に関する公式を得ます. |A| = |P3(1, 2, 1)P3(2, 1, −1)P3(1, 2, 1)A| 􏰀􏰀 􏰀􏰀 = 􏰀􏰀 b 􏰀􏰀 􏰀 −a 􏰀 􏰀􏰀 􏰀􏰀 􏰀􏰀 􏰀􏰀 􏰀b􏰀 􏰀b􏰀 |A|=􏰀􏰀 −a 􏰀􏰀=−􏰀􏰀 a 􏰀􏰀=−|P2(1,2)A| (問 5) n = 2 のとき,次の積を右側から順に計算していき(そのつど計算結果を表 記しながら),最後に得られた行列を P 行列で表現せよ. P1(1, −1)P3(2, 1, 1)P3(1, 2, −1)P3(2, 1, 1) = −a
(3) 上の (2) において,−a の負の符号を外に出すためだけに P1 の性質を用いました.そ の符号を −1 として外に出さなくてもよいとするなら,その性質を使う必要はありませ ん.そう考えると,平行四辺形がつぶれていないときは,P3 のみを用いて,対角行列 に変形できることになります.
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