| 2023/12/13(Wed) 17:27:27 編集(投稿者)
0 ≦ |a^2-b^2-2abc| < 2cよりc > 0です。 a = 0またはb = 0ならばabc = 0は偶数なので題意は成立します。 以下a ≠ 0かつb ≠ 0とします。
a = bと仮定すると、|a^2-b^2-2abc| = |-2(a^2)c| = 2(a^2)c < 2c より、a = 0となりますので、以下a ≠ bとします。
a < 0かつb > 0ならば、-a > 0なので、 |a^2-b^2-2abc| = |(-a)^2-b^2+2(-a)bc| = |b^2-(-a)^2-2(-a)bc| < 2c
a > 0かつb < 0ならば、-b > 0なので、 |a^2-b^2-2abc| = |a^2-(-b)^2+2a(-b)c| = |(-b)^2-a^2-2a(-b)c| < 2c
a < 0かつb < 0ならば、-a > 0かつ-b > 0なので、 |a^2-b^2-2abc| = |(-a)^2-(-b)^2-2(-a)(-b)c| < 2c
いずれも、a > 0かつb > 0における|a^2-b^2-2abc| < 2cの形の不等式評価に帰着します。
a < bと仮定すると、a^2-b^2 < 0かつ-2abc < 0と同符号になりますので、 |a^2-b^2-2abc| = |a^2-b^2|+|-2abc| > 2abc > 2cと題意の条件を満たしません。 # a > 0かつb > 0かつa ≠ bなので、ab > 1*2です。 よって、a > bと言えます。
-2c < a^2-b^2-2abc < 2c ⇒ b^2-2c < a^2-2abc < b^2+2c
b^2 ≧ 1なので、 ⇒ 1-2c/(b^2) < (a/b)^2-2(a/b)c < 1+2c/(b^2) ⇒ 1-2c < 1-2c/(b^2) < (a/b)^2-2(a/b)c < 1+2c/(b^2) < 1+2c ⇒ 1-2c+c^2 < (a/b)^2-2(a/b)c+c^2 < 1+2c+c^2 ⇒ (c-1)^2 < (c-a/b)^2 < (c+1)^2 ⇒ |c-1| < |c-a/b| < |c+1|・・・(3) # c-1 ≧ 0かつc+1 > 0です。
以下で場合分けします。 (1.1)c-a/b ≧ 0 (1.2)c-a/b < 0
(1.1)ならば(3)より、 ⇒ c-1 < c-a/b < c+1 ⇒ -1 < -a/b < 1 ⇒ -1 < a/b < 1 ⇒ 0 < a < b
a > bが必要なので、(1.1)c-a/b ≧ 0の場合は存在しないと言えます。
(1.2)ならば c-a/b < 0より、a-bc > 0或いはa > bcです。
(3)より、 ⇒ c-1 < a/b-c < c+1 ⇒ -1 < a/b-2c = (a-2bc)/b < 1 ⇒ -b < a-2bc < b ⇒ b(2c-1) < a < b(2c+1)
rを整数で-b < r < bとして、a = 2bc+rとおきます。
-2c < (2bc+r)^2-b^2-2(2bc+r)bc < 2c ⇒ -2c < (4(bc)^2+4bcr+r^2)-b^2-(4(bc)^2+2bcr) < 2c ⇒ -2c < 2bcr+r^2-b^2 < 2c ⇒ -2c < b^2-r^2-2bcr < 2c・・・(4) ⇒ 0 < b^2-r^2 < 2c(br+1)
0 < 2c(br+1)より、0 < br+1となり、0 ≦ brから、r ≧ 0といえます。
a > b > rですから、(4)は正の整数aがより小さい非負整数rに置き換わっただけです。 r = 0ならa = 2bcなので題意の成立が示されたことになるので、 (a, b)が(b, r)というより小さな正の整数の評価へ還元された訳です。
この還元を繰り返すことでrは徐々に小さくなっていき、最終的には0になるはずです。 a = 2bc+rですから、a ≡ r (mod 2)なので、abc ≡ bcr (mod 2)と言えます。
a ≧ 2bc ≧ 2なら、(a, b)⇒(b, r)つまりa/2 ≧ b > rに置き換えられる。 a > b > 0なので、2がaの最小値。a = 2を還元すると、 a = 2 = 2bc+1 ≧ 2*1*1+1 = 3は不可能なので、r = 0つまりa = 2bc+0しかないので題意は成立する。
r = 0であれば、a^2-b^2-2abc = r^2-b^2+2bcr = -b^2なので、 |a^2-b^2+2abc| = |-b^2|と絶対値が平方数となるのも頷けますね。
|