単位行列
 単位行列 by 数学ナビゲーター 最終更新日 2004年6月27日
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任意の正方行列 A  に対して

AE=EA=A

となる行列 E を単位行列という。

2行2列の正方行列の単位行列 E は,

E=( 1 0 0 1 )

3行3列の正方行列の単位行列 E は,

E=( 1 0 0 0 1 0 0 0 1 )

である。

【単位行列の導出】
2行2列の正方行列の単位行列 E を求める。単位行列の定義 AE=A より,

A=( a b c d ) E=( p q r s )  とおくと, 

( a b c d )( p q r s )=( a b c d )

となる。行列の積より,

( ap+br aq+bs cp+dr cq+ds )=( a b c d )

と計算され,行列の各成分を比較することにより,連立方程式

{ ap+br=a aq+bs=b cp+dr=c cq+ds=d

が得られる。この連立方程式を整理すると,

{ a( p1 )+br=0(1) aq+b( s1 )=0(2) c( p1 )+dr=0(3) cq+d( s1 )=0(4)

となる。 (1)×c(3)×a より,

r( bcad )=0

この等式が任意の行列 A で成り立つためには, r=0 でなければならない。(1)に r=0 を代入すると,

a( p1 )=0

この等式が任意の行列 A で成り立つためには, p=1 でなければならない。

また,。 (2)×d(4)×b より,

q( adbc )=0

この等式が任意の行列 A で成り立つためには, q=0 でなければならない。(2)に q=0 を代入すると,

b( s1 )=0

この等式が任意の行列 A で成り立つためには, s=1 でなければならない。

以上より,単位行列 E

E=( 1 0 0 1 )

と導かれる。 EA=A  の場合も同様にして E=( 1 0 0 1 ) を導くことができる。

【用語】
正方行列:行の数と列の数が等しい行列のこと

【関連ページ】
カテゴリー分類>>行列>>単位行列

数学C行列の公式



 
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