原始立方解
  x 3 =1 の解 by 数学ナビゲーター 最終更新日 2004年3月31日
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x 3 =1 の解は複素数を学習する上で非常に重要な式です。このページで詳しく解説します。

まず, x 3 =1 の解を求めてみます。 x 3 -1=0  の形にして因数分解します。
( x1 )( x 2 +x+1 )=0   ・・・・・・(1)
x1 x 2 +x+1=0
x 2 +x+1=0  を解の公式を使って解くと,
x= 1± 1 2 4·1·1 2 = 1± 3 2 = 1± 3 i 2 = 1 2 ± 3 2 i  となり虚数解(ここを参照)となります。

すなわち, x 3 =1 の解は1, 1 2 + 3 2 i 1 2 - 3 2 i  となる。

理解をさらに深めるために求まった解を極形式に変えてみる(偏角 θの範囲を 0°<θ<360° とする)。

1=cos0°+sin0°  

1 2 + 3 2 i=cos120°+isin120°  

1 2 - 3 2 i=cos240°+isin240°  

となり,複素数の絶対値が1で偏角が0°,120°,240°の120°間隔になっている特徴がある。

x 3 =1 の3つの解を複素平面上に表すと下図のようになる。

半径1の円上に x=1 を起点として
120°( = 360° 3 )づつ正の方向に
回転したところに解が存在する。
ω= 1 2 + 3 2 i  とおく( ωを1の原始立方解虚数立方解)という)と
ω·ω= ω 2 複素数の積の特徴より複素数 ωを120°回転させた複素数になる。すなはちx 3 =1 の虚数解のもう一方 1 2 - 3 2 i  と一致する。

この特徴をさらに発展させてみる。

x=1 1 2 + 3 2 i( =cos120°+isin120° ) を3回掛けると360°回転して元に戻る。式で表すと,

1·( 1 2 + 3 2 i )( 1 2 + 3 2 i )( 1 2 + 3 2 i )= ( 1 2 + 3 2 i ) 3
= ( cos120°+isin120° ) 3 ={ cos( 120°×3 )+isin( 120°×3 ) }=cos360°+isin360° =1  

x=1 1 2 - 3 2 i( =cos240°+isin240° ) を3回掛けると720°回転して元に戻る。式で表すと,

1·( 1 2 - 3 2 i )( 1 2 - 3 2 i )( 1 2 - 3 2 i )= ( 1 2 - 3 2 i ) 3
= ( cos240°+isin240° ) 3 ={ cos( 240°×3 )+isin(240°×3 ) }=cos720°+isin720° =1  

このような特徴を一般化したものがド・モアブルの定理であり, z n =α の解である。

 

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カテゴリー分類>>複素数

 

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