独立な試行
T 1 ,
T 2 ,⋯,
T n
をまとめた試行Tにおいて,試行
T 1
では事象
A 1
,試行
T 2
では事象
A 2
,・・・,試行
T n
では事象
A n
が起こる事象を
A T
とすると, 事象を
A T
が起こる確率は,
P( A
T )=P(
A 1
)P(
A 2 )⋯P(
A n
)
となる。これを独立試行の定理という。
【用語の説明】
独立:いくつかの試行があるとします。各々の試行の結果は他の試行の結果に影響を及ぼさないとします。このような試行は独立であるといいます。
独立試行:お互いに独立な試行を同時あるいは連続というようにひとまとまりとして行うこと。
【独立試行の定理の導出】
試行Tで起こるすべての場合の数を
n( U
T ) ,試行Tで事象
A T
が起こる場合の数を
n( A
T ) ,
試行
T 1
で起こるすべての場合の数を
n( U
1 ) ,試行Tで事象
A 1
が起こる場合の数を
n( A
1 ) ,
試行
T 2
で起こるすべての場合の数を
n( U
21 ) ,試行Tで事象
A 2
が起こる場合の数を
n( A
2 ) ,
・
・
・
試行
T n
で起こるすべての場合の数を
n( U
n ) ,試行Tで事象
A n
が起こる場合の数を
n( A
n ) ,
とします。確率の定義より
P( A
T )
|
= n(
A T
) n(
U T
)
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|
|
= n(
A 1
)×n(
A 2
)×⋯×n(
A n
) n(
U 1
)×n(
U 2
)×⋯×n(
U n
)
|
(積の法則より)
|
|
= n(
A 1
) n(
U 1
) ×
n(
A 2 )
n(
U 2
) ×⋯×
n(
A n )
n(
U n
)
|
|
|
=P(
A 1 )P(
A 2
)⋯P(
A n
)
|
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となり独立試行の定理が導かれます。
【事例による説明】
2つのサイコロA,Bを投げて,サイコロA偶数の目が,サイコロBは1の目が出る確率を求めよ。
サイコロの場合,サイコロAの目の出方がサイコロBの目の出方に影響を及ぼすことはありません。よって2つのサイコロA,Bを投げることは独立試行であるといえます。
サイコロAの目が偶数になる確率は
3 6 ,
サイコロBの目が偶数になる確率は
1 6 ,
よって,求める確率は
3 6 ·
1 6 = 1
12
となります。
【問題演習】
数学Iの問題演習
【関連ページ】
数学I,確率の定義,確率の積の法則,期待値の求め方,余事象の確率
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